今年も残りわずか

 12月に入り、ようやく冬らしく寒くなってきました。今年も残りわずかです。

《はじめのいっぽ介護ばなし》 ~日常と非日常~ 家族通信より
 
 テレビの医療ドラマはかっこいい。キリッとした外科医がメスを片手に手術を行い、死に面した患者を救うのは、正にヒーローだ。一方、介護現場をメインにしたドラマってあるのだろうか?なくはない。過去にも主人公が介護士だという設定のドラマは何度か見たことある。しかし、この二つには決定的な違いがあると思う。
 医療ドラマは何らかの事件(問題)が起きる。怪我をした急患が運び込まれたり、不治の病に冒された患者がいたり。それを治療(解決)するのがかっこいいのだが、介護の現場に置き換えると、そんなに頻繁に問題が起きたら困ってしまう。介護現場での問題と言える、例えば、転倒や誤嚥(食べ物が間違って気管に入ること)が毎回毎回起きていたら、それこそ利用者は入院してしまう。介護の現場では問題のない、“変わりのない昨日、今日、明日”がいいのだ。
  いっぽの日常は調理手伝いや洗濯物たたみをして、風呂に入って、食事をして、体操やレクリエーションに参加して、おやつを食べて帰るというものだ。何の変哲もない毎日だけれども、私たち職員はそんな日常こそ大切だと思っている。特別でない日常こそが、その人が生活の主人公でいられると考えているからだ。でも、たまには非日常も大切だ。
コロナになる前、近くの小学校の運動会を見に行った時の事。目の前で小さな子供たちが頑張っている姿を見れば、皆さんの目尻も下がりっぱなしである。子供達の声援、運動会には欠かせないリズミカルな音楽、ピストルの音、利用者の皆さんは運動会という非日常を思い切り楽しんでいる様だった。運動会に行っていつもと違う空気を吸う事は利用者にとってとても刺激になる。また、普段見られないような笑顔を見せてくれることもあり、それは職員には何よりも嬉しかったりする。

 日常と非日常が繰り返されるのは若い頃も年を取っても同じだ。ただ、その日常にいかに価値を見出すかはその人次第と言うところだろうか。私たちは、そんな“価値のある、その人らしく過ごす日常生活”を手伝う仕事をしている。ドラマのような華やかさはないけれど、それでいいし、それがいい。

 
変わらない日常生活を継続して支える、そんないっぽの日常が来年も続きますように。

※12月の空き状況   月~土 各曜日余裕があります。見学・お試し利用承ります。

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