いっぽの食卓

~10月の家族通信「はじめのいっぽ介護ばなし」より~

 いっぽの食事は二人のボランティアさんが日替わりで作ってくれています。味付けはお二人にお任せ。それぞれのご家庭の味です。
12時近くなると、と~ってもいい匂いが室内中に広がり、食事への期待が膨らみます。
献立は職員が利用者さん1人1人の顔を思い浮かべ、「あの人はこれだと良く食べてくれてたな」とか
「○さんはうどんが好きだから、〇さんが来る日にうどんにしよう」などアレコレ考えて決めています。

秋の味覚たっぷり!左 さつまいもご飯  右 五目炊き込みご飯

たまごロールサンド!   かぼちゃシチューとロールサンド

そして、利用者さんの午前中のお仕事にもつなげたいので、お仕事になるような食材を考えてメニューを考えます。
以前利用していたAさん(当時84歳)は元給食の調理員の為、調理下ごしらえはお手の物。どんな仕事も手早くて、
他の人のお仕事も「何モタモタやってんのよ!貸して!」と取上げてしまうので、Aさんが長く一人で黙々と作業してもらえるよう、
もやしの根取りをしてもらっていました。Aさんはほとんど毎日利用していたのでいっぽの昼食には必ずもやしが!
(しかしAさんが施設へ入所してからは、もやしの登場回数がめっきり減りました)
 男性利用者Bさん(95歳)は玉ねぎの皮むきを仕事として認識し、「こんな事やらせやがって」と言うものの、
何も言わなくても席に着くとすぐ、玉ねぎの皮をむいてくれました。
むいた玉ねぎを台所に届けるとボラさんが「わ~きれいにむいてありますね。お上手ですね」と褒めてくれるので、
嬉しくてデレデレの表情になりました。なのでBさんが来る日の献立は必ず玉ねぎが入っていなければなりません。
 正直、「この料理に玉ねぎ入れるの??」というおかしな献立でもボラさんたちは受け入れてくれ、それをとてもおいしく完成させて下さいます。
そして利用者さんが食べやすいように、お肉は片栗粉を付けて食感良く、食べ易くしてくれたり、軟らか~く炊いてくれたりと
それぞれに工夫して下さっています。

この日は焼きそば。

完食!

 ボラさんは利用者さんと一緒に食事をし、「今日のはちょっと硬かったかしら?」「ペロリと食べてくれたわね」と状態を確認し、
次につなげてくれています。お二人とも、とても長く続けて頂いているため、調理するだけでなく、利用者さんを深く理解してくれています。
心がこもった温かい家庭料理は、利用者さんと職員の支えとなっています。

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